非常事態宣言発令!パタヤ 「アピシット首相退陣要求」
アピシット首相は4月11日、ASEANプラス3・プラス6の首脳会議の開催地、パタヤ市およびチョンブリ県に非常事態宣言を発令した。
これはタクシン元首相支持団体「反独裁民主戦線(UDD)」が首脳会議の行われていたホテル「ロイヤル・クリフビーチ・リゾート・パタヤ」に乱入、占拠したことによる。このため、首脳会議は延期となり、各国首脳は会議途中でそれぞれ帰国することになった。
ホテル突入班のリーダーで、元タイ愛国党議員のアリサマン氏は、「アピシット首相は武器を持たないデモ隊に対して、発砲し、しかも爆弾まで使用して、タクシー運転手2人を負傷させた」と非難。1時間以内に発砲した犯人を特定するよう求めた。
その後、午後3時すぎ、UDDはホテルを撤退し、バンコクに戻った。
今回の非常事態宣言発令に対して、パタヤ市長は、「観光に打撃を与えるもの」と難色を示した。
■「非常事態宣言」とは
非常事態宣言とは05年に制定された『非常事態下での統治法』第9条に基づくもので、非常事態を速やかに正常化し、暴動発生を回避するために発令するもの。同宣言を発令する権限は首相にある。
非常事態宣言下の地域では、以下の制限を受ける。
(1)5人以上の集会および秘密会議、もしくは治安を乱すと考えられる行為が禁止される
(2)国民に不安感を与える記事、治安に関し国民に誤った情報を提供する記事を、新聞などあらゆる媒体を通じて配布・販売することが禁止される
(3)治安維持責任者が指定した交通路・交通機関の市民の利用を禁止することができる
(4)治安維持責任者が指定した建物への市民の出入りを禁止することができる
(5)治安維持責任者が指定したエリアから市民を移動させ、また同エリアへの出入りを禁止することができる
なお、今回、治安維持責任者にはステープ副首相が指名された。
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